患者さんには病気に対する色々な意味での悩みがあると思います。先ず診察とご相談に応じたいと思います。私は、二つの大学病院に勤務し、新生児から終末期までの幅広い年齢層の患者さんの心臓病の診療に従事してまいりました。心臓血管疾患を特に専門分野といたしておりますが、患者さんは病気のため肉体的にも精神的にも多くの面で不都合を生じます。患者さんの生活機能の向上が無ければ病から開放されたという実感はご本人も御家族の方にもないと思います。いつも病気を心配しているというストレスを持つことが患者さんの日常生活を楽しいものにしていない現実があると思います。
私は心臓血管疾患、呼吸器疾患を特に専門分野といたしますが、地域の医療機関は先ず病気の初期診療からという幅広い診療をする必要があると考えます。まずは、患者さんが、相談しやすい場を提供させていただくことを第一としています。最近、多く見られる脳梗塞、糖尿病、高脂血症、高血圧、狭心症、不整脈ならびに世田谷区が生活習慣病予防治療のために実施している基本健康診査の解説は重点を置いております。専門外の疾患は高度機能病院連携を時間をかけずに実施しております。この地域の医師会のクリニックの先生方と専門性を生かした連携も強化しております。
循環器疾患は新生児から乳幼児そして成人まで原因の異なる背景があります。心臓や血管系の手術を控えている方、手術や狭心症のステント療法をお受けになった方、不整脈や狭心症、弁膜症、心不全でお悩みの方もご相談ください。家庭生活と病気の間にある問題点の隙間をうめて行きたいと思います。呼吸器疾患や心臓病の運動機能に対するリハビリなどもご相談できると思います。最近大変多く見られる高齢者をも含む生活習慣病、特に糖尿病、狭心症、心筋梗塞 高血圧、動脈瘤などの診療に力を入れております。
最も関心の高い高血圧は原因と治療の必要性をご理解いただく必要があります、無症状に潜んでいる大きな問題点を先ずご説明していきます。この点をご理解いただいた上で治療を開始いたします。高血圧の患者さんが脳出血や脳梗塞を併発しないようにすることが最も重要です。患者さん御自身が自己管理する治療のために専門家による栄養相談を実施し内服薬だけに頼らない治療を患者さんと一緒に考えて生きたいと思います。
狭心症と心筋梗塞、高血圧や糖尿病、肥満などを併せ持つ方は狭心症と心筋梗塞を発生する頻度が急激に高くなります。国立循環器センターの報告では30〜50歳代世代の心筋梗塞が増えているとしています。理由はコレステロールや中性脂肪、尿酸値の増加、内臓脂肪の増加により発生する悪性ホルモンがこのような生活習慣病(メタボリック症候群)を引き起こすといわれます。メタボリック症候群はコレステロールや血糖が多少高くても体のどこも症状が起きない期間が長いため生活習慣病が認識されにくいことが要因です。糖尿病は最近、中高年意外の方も当院外来でも急増している傾向があります。急性に発症する動脈瘤の破裂、脳梗塞や脳出血はこのようなメタボリック症候群を併せ持つ患者さんに多く発現します。合併症の無い安心して送れる生活のためにも、すでに病気を指摘されている方は勿論、予備軍の方はご注意が必要です。血管年齢などが年齢不相応に進行しないような予防治療が必要です。
榊原記念病院 独立行政法人東京医療センター 国立がんセンター 国立成育医療センター 慶応大学病院 東京女子医科大学病院 関東中央病院 聖路加国際病院 国立循環器センターなど